ノーベル賞精子バンク(続き) |
そして、ミュラーの影響を受けた大富豪ロバート・グラハムが1980年にノーベル賞受賞者専用の精子バンク「レポジトリー・フォー・ジャーミナル・チョイス」を開設しています。 これは天才級の男性たちの精子を集め、知能検査で高い成績の女性に受精させ、人類の遺伝子プールを改善するという、優生学的野望を掲げる組織でした(ノーベル賞受賞者限定とはいかなかったんですね)。 しかし、知名度は高かったものの、実際の経営や運用はずさんだったようで、経営者の死去により、同バンクは1999年に閉鎖されました。 それまでに生まれたスーパーベイビーの数は約200人です。 昨日も書いたように、精子提供者の男性が誰なのかは、女性にも知らされず、女性には提供者のプロフィールとコードネームだけが伝えられました。 そのため成長したスーパーベイビーの中には自分の本当の父親が誰なのかを知りたいと強く願う人たちもいましたが、バンクが閉鎖され、記録が失われてしまったために、父親の特定はかなり困難だったようです。 その後、天才の遺伝子を受け継いだ子供たちが、果たして本当に天才になったのかについての調査が実施されました。 これは誰もが知りたいところでしょうが、ノーベル賞精子バンク自体では追跡調査していなかったんですね。 そして得られた結果はそれほど芳しいものではなかったようです。 実際に驚異的な才能を発揮して社会のリーダーとして活躍している人はいませんでした。 知能は高くとも社会に適応できないという例がもっとも多かったと言われています。 当然の結論ですが、天才を育てるには環境も大事だと言うことでしょう。 しかし、それよりもまず、考えなければいけないのは、天才児を作り出すことがそれほど重要かと言うことです。 知能だけに焦点をあてることはやはり不自然ではないでしょうか。 では。 |
by fwnd9951
| 2016-11-12 08:18
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