フランス人の食事 (3) |
続きです。 また、最近は昼食をファストフードで取ることも多いようです。 このファストフードですが、昔はフランス人には合わないと言われ、実際にマクドナルドも最初はかなり苦労しました。 そして、いったんは撤退したのですが、結局はフランス全土に広がっています。 日本との大きな違いは大人の客が多いことでしょうか。 フランス人の食事はつましいとも書きましたが、たとえばワインを例に挙げると、通常の食事では1本300円くらいのものを飲みます。 もっとレベルを下げると1ℓ100円とそれこそ水より安いワインもありますが、さすがにこれは普通の家庭では飲みません。 要するに1000円から2000円くらいのワインなんて高級なんですね。 ついでに言うと、ほとんどのフランス人はシャトー・マルゴー級のワインなど一生飲むことはないし、三ツ星レストランで食事することもありません。 高級ブランデーやシャンペン(ドンペリ等)などは大体外国向けで国内での消費はほとんどないとのことです。 実はフランスでは年々ワインの消費量が減少しています。 これに危機感を抱いたある議員が、ワインはフランスにとって、文化だ、国民の財産だとする演説を行ったほどです。 具体的に書くと、フランス人は1960年代には、1人平均で年間126リットルのワインを消費していましたが、これが1990年には73リットル、2000年には56リットルにまで減りました。 その理由はいろいろ考えられますが、まず多くのフランス人がワインの世界はエリート主義的かつ複雑であり、専門家の言葉はあまりに難しくなり過ぎていると考えていることが上げられます。 フランス人でさえ、製品の種類が多過ぎ、ワインを選ぶのは難しいと考えているんですね(消費者の70%)。 また、日本では一昔前にワインの健康上の効用が注目されたことがありましたたが、フランスでは反対にある政府機関が、フランス人はアルコールを過剰に摂取しているとし、1日に2杯のワイン消費は健康に危険であり、アルコール消費を控えることが望ましいとの見解を示しています。 こうしたこともあってか、現在ではワインの消費者は概して高齢層、主に45~70才の層に集中しており、特に若者層にワイン離れが顕著です。 若者達はワイン自体を古臭いものと考え、また酔うこともイケてないと思っているようです。 この辺り、アルコールの消費がもの凄く多いと思われる日本の若者とはかなり違うのではないでしょうか。 いずれにしても、こうした点においてもフランスの食習慣が危機に瀕していると言えるでしょう。 食事に関する話はまだあるので明日も続けさせていただきます。 では。 |
by fwnd9951
| 2010-08-21 18:00
| エンターテイメント
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