フランス人の食事 |
日本人はフランス人の食生活について幻想を抱いているむきがありますので、今日は実情を紹介しましょう。 ただし、私の個人的経験に基づいていますから、偏った見方であることをあらかじめ断っておきます。 一般にフランス人の食事はかなりつましいんです。 朝はバゲットを4分の1に切ったものを更に半分に割り、バターを塗ります。 これを1~2枚にカフェオレ、これでおしまい(場合によってはパンの代わりにシリアル、そしてジュースが付くこともあります)。 クロワッサンは値段が高いので普通の家庭ではまず食べません。 そして、昼食ですが、昔はこれが一日のうちで最も重要な食事で、時間もたっぷりかけていたとのことです。 しかし、生活の近代化と共にこの習慣も廃れてしまいました。 パリ市内では、社員食堂がある企業が少ないため、たいていの人は近くのカフェや安いレストランで軽食を取ります。 サンドイッチやオムレツなどですね。 オードブル、メイン、デザートなんて食事は値段も高く、時間もかかりすぎるので敬遠。 そして、夕食ですが、共稼ぎが多くなり、手の込んだ料理を作る暇がないために、出来合いの惣菜を買ってくるか、簡単に料理できるもので済ませます。 最近では冷凍食品が大人気だそうです。 こうしたこともあってか、フランスでは伝統的な家庭料理が廃れつつあるとのこと。 母親から娘に味を伝えることがなくなり、若い女性がほとんど料理をしなくなったと云う話も聞いたことがあります。 私がパリにいた時に見たデータですから結構古くなりますが、ある新聞社がフランスの若者の料理に関する嗜好を調査したところ、上位4位すべてを外国料理が占めるとの結果が出ました。 正確に順位は覚えていませんが、たしかパエリア、スパゲッティ、ピザ、クスクス※といった感じだったかな。 ※なじみがないと思いますので少々説明します。クスクスとは細かく砕いた小麦粉を蒸したものに、羊の肉と野菜を煮込んだソースをかけて食べるアラブ・アフリカ料理でする(私はこの料理が大好きなのですが、何でもあるはずの東京でも気軽には食べられません)。 まさにフランスの家庭料理の危機と云ったところでしょうか。 長くなるので、続きはまた明日。 では。 |
by fwnd9951
| 2010-08-19 18:45
| エンターテイメント
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