悪魔払いを巡る裁判-映画「エミリー・ローズ」より(4) |
続きです。 悪魔憑き、そして悪魔祓いを認めるかどうか。 信仰心から考えれば、認めないわけには行きません。 しかし、これを法律で規定することは困難です(この辺の問題は非常に複雑ですからここでは深入りしません)。 弁護士はそこにつけこんだわけです。 誰も完全には否定できないと言うことに。 これが日本だったら問題は簡単でしょう。 聖職者であろうと、医師の資格を持たない者が医療行為を行うことはできないので、神父は間違いなく有罪です。 まあ日本では、神父による悪魔祓いの話は聞いたことがありませんが、祈祷師、巫女、霊媒といった人たちがお祓いをすることはよくあります。 その結果、人が死んだ事件が過去にありました。 しかし、その場合でも信仰が裁判の争点になったことはないようです。 そう云えば、ちょっと違うかも知れませんが、昔、宗教上の理由から輸血を拒否し、子供を死なせてしまった親がいました(現在では医師は緊急措置として、両親の了承なしに輸血できます)。 彼らは罪には問われませんでしたが、世間から轟々たる非難を浴びました。 日本ではやはり理解されないんでしょうね(私もけっして彼らの行動を容認はしていません)。 ところでエミリーが悪魔に憑かれることになった理由ですが、明らかにはされません。 彼女は幻覚の中で聖母マリアに会い、そうなる定めだと告げられます(これはなんの解決にもなっていませんが)。 エミリーは世間に悪魔の存在を知らせるための犠牲だと言うのです。 しかし、それが本当だとしてもなぜ神はそんな回りくどいことをするんでしょう。 そんなことのために罪のない女性を犠牲にしなくても、もっと簡単でわかり易い方法がありそうなものですが。 神を深く愛しているエミリーがどうしてこんなに目に会わされるのか、神は彼女を見捨てたのかとの疑問に答えは出されません。 好意的に言えば、結局、神のみわざは人には理解できないということです。 裁判にかけられた神父も神の問題は人には裁けないとして、控訴を断念します。 私にはまったく納得できませんが。 では。 |
by fwnd9951
| 2009-09-25 17:27
| エンターテイメント
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